明けましておめでとうございます。
日本の大晦日とお正月は良いですね。伝統的に過ごす家庭では大晦日の随分前から準備をしてとても忙しい思いをされる方も多いのでしょうが、移住して以来私が日本でお正月を過ごす時は、どちらかと言うと旅行者と言う感覚なので、良い事ばかりの経験をさせてもらうのでいつも楽しい時を過ごさせてもらっています。
実家や姉の所でお正月を迎えた時は大晦日の年越し蕎麦とお正月のおせち料理です。3段の重箱に色々なお料理がぎっしり詰め込まれていて、なんとも心を豊かにしてくれます。実家は特に伝統を重んじるような家ではなかったのですが、元気だった頃の母はおとそを必ず元旦に用意して、おせち料理を頂く前に一人一人朱塗りの盃で飲まされました。昔は味醂とお酒の混合物だったと思うのですが、いつの間にかお酒だけになり、とても飲みやすくなりました。母をはじめ何人かの女性軍はあまりお酒をたしなまないので、一番小さな盃で口を濡らす程度でしたが、私は幾らでも飲めるタイプなので、いつも下段の一番大きな盃にたっぷり注いでもらい、一気に飲み干しました。きんとんは甘すぎて余り口に合わないのですが他はどれも美味しく頂きました。
ニセコスキー場で年末年始を迎えた時は、大晦日の夜皆でゲレンデに集まって花火を見ました。そしてゲレンデに立てられた櫓の上で太鼓の披露があり、酒樽を割って皆にお酒が配られました。その間にスキーヤーやスノウボーダーがリフトに乗り、火の点いたたいまつを持って列になって上から滑走して来ました。滑走して下りて来る時に丁度年が明けるのです。私がニセコで新年を迎えたのは6年程前の事なのですが、ウェブサイトによると恒例行事になっていて、今では200人の大滑走になっているそうです。一般参加の人を応募するようなので、今度ニセコで年を越す時はぜひたいまつ滑走に参加してみようかと思っています。
シドニーのお正月は『ハッピーニューイヤー』と言うだけの事が多く、家庭での盛大なお祝いはあまりしません。クリスマスが盛大なので、その後1週間も経たずに又パーティーとは行かないのでしょう。でも大晦日(ニューイヤーズイヴ、New Year’s Eve)の夜から年が明けるまではオーストラリア各州の首都で花火を大々的に打ち上げて新年を迎えます。シドニーではハーバーブリッジやオペラハウスの辺りから沢山の花火が打ち上げられます。日本でお寺の鐘を聴きながら年を明けるのとは全く趣が違います。
若かった頃は、友達と一緒に花火を見るために都心に近い公園に陣取って、遅くまで外出しました。1999年のニューイヤーズイヴにはSATGソーシャルグループの仲間と一緒にレストランの予約をし、お祝い騒ぎの夕食を済ませてから花火の見える公園まで歩いて行ったのです。2000年になると言うことで、ソーシャルグループの幹事は皆に“2000”と書かれたメガネのおもちゃや吹き戻し等をそろえてくれて、どの人も子供のようにはしゃいでいました。子供達は大学生でしたから勿論友達と一緒に2000年の年明けのお祝いで外出です。もし私がソーシャルグループの仲間と出かけなかったら、1人寂しくテレビで21世紀を迎える事になる訳で、ソーシャルグループに入っていて本当に良かったと思いました。
シドニーの年明け花火は毎年打ち上げられますが、この頃は出かけることも無くテレビで観賞です。今回のニューイヤーズイブは特にひどくて、テレビをつけて夜中まで頑張って花火を見ようと思っていたのですが、10時頃になったら居眠りをし始め、結局床に入ってしまいました。年明けの花火を見過ごした訳で、後になってウェブサイトのビデオ(http://www.sydneynewyearseve.com/)で観賞しました。
息子は今回も彼女と一緒にハーバーブリッジの傍まで行って年明けの花火を見に行きました。花火を見る為に大勢の人がポートジャクソン湾沿いに集まり、中には羽目を外して海に飛び込んだりする人もいます。以前はアルコール類を飲みながらでも良かったのですが、酔っ払った人達が問題を起こした事もあって、近頃はニューイヤーズイブのポートジャクソン湾沿いはアルコール禁止区域になり、係員が持ち物をチェックしてお酒類は取り上げです。息子は柔らかいアルミで出来たドリンクボトルにウイスキーを詰めて内緒でアルコール禁止区域に持ち込んで、ウイスキーをグイグイやりながら花火見物だそうです。見つかったらどうなるのか知らないのですが、全くあの子には幾つになっても心配をさせられます。
日本と違いこちらではお店も元旦から開いています。一年でお店が閉まるのはクリスマスの日の12月25日だけという所が多くなりました。スーパーやデパートはもとより、多くの小売店もその様になりました。私が移住した頃のお店は週末に閉める習慣があった位ですので、随分変わったものです。クリスマスの翌日のボクシングデー(Boxing Day)からバーゲンが始まり、年末年始もそれが続きます。丁度日本の夏休みに相当する時期ですので子供達は2月に入るまで学校休みで、ショッピングセンターは家族連れで賑わいます。
我が家もクリスマスの日はお昼過ぎから皆が集まり、シーフードがテーマのご馳走が並び、プレゼントも沢山貰ったのでお正月の集まりはありませんでした。大晦日にナギが泊まると言ったので2人でお蕎麦でも食べて日本的に気分を盛り上げようとしたのですが、息子と2人でお弁当を作ることになってしまいました。どうしてこの様になったのか分からないのですが、夕食はお弁当を公園で食べて、その後ハーバーブリッジの花火を見ようと、息子はお弁当の準備を楽しそうにしていました。
お弁当の中身は鮭の塩焼き、鶏肉の大葉ハンバーグ、大根サラダ、ひじきの煮物、厚焼き玉子、田作り、たくあん、ゴマを散らしたご飯です。私が鮭、ハンバーグ、大根サラダと田作りを受け持ち、息子は厚焼き玉子とひじきの煮物を作りました。ひじきは枝豆も入って緑が綺麗でした。ナギと私の分も作ったのですが、息子が出かけるちょっと前に、彼女の他にもう1人友達が花火見物に参加するとの連絡がありました。お弁当が4つしかないので困りましたが、私はお弁当を食べ慣れているので私の分を友達にあげることにしました。私もナギも痩せようとしているから、2人でお弁当1つが丁度良いのだと自分に言い聞かせました。でもやっぱり自分だけのお弁当が欲しかった。後で息子から鶏肉の大葉ハンバーグが一番の人気だったと聞いて、ガマンして彼らの友達にお弁当をあげて良かったと思いました。
家では元旦でもおせち料理はもとよりお雑煮も作りません。普通の食事です。日本ではテレビを見てもお正月番組が沢山ありますが、こちらはごく普通の番組ですのでお正月気分になりません。私はやはり日本で育ったので、お正月の雰囲気が好きですが、これは日本で無いとダメですね。
今日のレシピはお正月的では無いのですが、パーティーに最適の『ちぎりパン ガーリックブレッド 』を紹介します。純日本的なお正月ではなくてちょっと洋風にお祝いするのでしたら、メニューの仲間入りが出来るのではないでしょうか。
- 外側がカリッとした田舎パン 1個(出来ればサワドウパン)
- モッツァレラチーズ カップ1(削る)
- 無塩バター 100g
- ニンニク 2かけ 微塵切り
- 塩 小匙1/2
- パセリ 大匙1 細かく刻む
- オーブンを180度に温めておく。
- バターを溶かし、残りのガーリックバターの材料と混ぜ合わせる。
- パンに斜めの切れ目を2cm間隔に入れ、角度を変えてダイヤモンド型の切れ目を入れる。パンの底まで切らないように気をつける。
- 指かナイフで其々の切れ目の隙間に小匙一杯のバタミックスを流し、チーズをひとつまみ詰める。ちょっと面倒だけれど、出来上がりを考えたら努力をする価値があります。あまり丁寧にしなくても大丈夫です。少しバターを残して最後に上からかけると更に良い。
- アルミホイルでパンを包みオーブンで15分、チーズがおおよそ溶けるまで焼く。アルミホイルを開いてさらに5分間やき、パンの表面をカリッとさせる。
- すぐに食卓へ。
2. パンは気泡が少なくずっしりとしたタイプの方がちぎった時に崩れません。

このレシピの英語版の料理名はCheese and Garlic Crack Bread (Pull Apart Bread)です。RecipeTin Eats (www.recipetineats.com)に載っています。
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