メキシコに来て2週間半、最後の日になってしまいました。これからロサンゼルスに向かいます。シドニーを10月24日に発ち、ロサンゼルス経由でメキシコシティに着いたのですが、幸い昼間の便でしたので思ったより楽でした。でもLA まで13時間半、LAからメキシコシティまで4時間かかり、乗り継ぎの待ち時間を入れると20時間以上でした。機内ではあまり眠れないたちなので映画を4-5本立て続けに見ました。起きていた時間は24時間を越える訳で、宿に着いた時はさすがに疲れました。

メキシコシティで泊まった私の部屋。クイーンサイズのベッドが2つでシャワールームと中庭付。私の為の旅行と言う事で一番大きな部屋を貰いました。他はシングルベッド2つの部屋、クイーンサイズ1つの部屋が2つでした。
宿と言っても4人なのでホテルよりかなり安く滞在できる、いわゆる自炊のできるマンションを借りました。エアービーエヌビー(Airbnb)と言うウェブサービスを利用して選んだ4寝室、シャワールーム3つ、リビング、ダイニング、キッチン中庭の付いたマンションです。メキシコは物の値段が安いので、都心から車で15分程のこのようなマンションでもかなり安く泊まれます。1泊202豪ドルですから、4人で割ると1人50ドルです。1人1部屋なので息子のいびきに悩ませる事もありません。
エアービーエヌビーはホリデーで外国旅行をする時には良く使います。一軒家でもかなり安く利用できますし、ウェブサイトには口コミが載っているので写真だけでなくどんな状況の宿泊施設なのか予想が付き、ひどい所に出くわした事はありません。1-2日の滞在ではあまり価値が無いかもしれませんが、5日ぐらい同じシティに滞在し、しかも人数が多いのでしたらエアービーエヌビーは安上がりだと思います。私達の選んだ家は8人まで泊まれるので、そうなると1人1泊25ドルです。日本にもエアービーエヌビーに登録して、日本での家やマンションを提供している人がいますが数はやはりまだ少ない気がします。
滞在したマンションはレストランの沢山ある地域だったので私達にとっては最高の立地条件です。1日目は近所を探索すべく歩いて周り、途中で屋台のお店を見つけてはタコスを色々な中身を入れて食べまくりました。タコスは手のひら位の大きさなので幾つでも食べられてしまいます。典型的なタコスの食べ方はトルティーヤと言う平たいパンに乗せる中身を注文し、自分でサルサやロハといったソースをかけ、手で頂くのです。
左から宿の近所‐メキシコの家は窓には鉄の柵、玄関は鉄の扉が取り付けられています;初めて食べた屋台のタコス;色々なサルサ;タコスに乗せる肉を焼いている所。
タコスの中身は肉、ソーセージ、野菜、チーズ等。代表的なサルサとしてはトマティーヨという緑色の硬いトマトと緑のハラピーノ唐辛子、コリアンダー、玉葱で出来た緑色のものと赤い唐辛子の入った赤いものがあります。辛さも色々ですが一番辛くないサルサでも辛いと思いました。屋台や大衆食堂のサルサはテーブルに常に置いてあり、お客が共同で使う物で、スプーンで勝手に取ってタコスにかけます。大阪の串カツ屋にある共同のソースの感覚です。
2日目は近くの本屋を兼ねたレストランで朝食を取り、その後セントロと言うメキシコシティの世界文化遺産に登録されている歴史的中心地区に行きました。大聖堂の中を見た後、国立宮殿に入りたかったのですが、あいにく満員でダメでした。マーケットでお店の物を見たりそこの食堂で食べたりするのが好きなので、マーケットに向かいました。この時も行きがけに大衆食堂でケサディアを食べ、別のお店でタコスを食べました。ナギは甘い物が食べたいと、必死でチュロスを探し当て満足げでした。
左からセントロの大聖堂;二つに折ったタコス;死者の日のお祭りに骸骨の砂糖菓子;マリーゴールドは死者の日のお祭りに重要な花です。
パン屋さんを覗くと10月31日から始まる死者の日のお祭り(Day of the Dead Festival)に備えて死者のパンや骸骨の砂糖菓子等が並んでいました。死者のパンは直径20cm位の円形で、真ん中に十字が記されています。味は甘めで、表面に砂糖をまぶしてある物もあります。町並みもフェスティバル用に飾られていました。 マリーゴールドの花は死者の日のお祭りに重要な花で、町のあらゆる所にマリーゴールドが見受けられました。おそらく家庭でも使われるのでしょう、マリーゴールドの植木鉢を買っている人も沢山いました。
3日目はマーケット巡り、4日目はセントロにあるテンプロ・マヨール遺跡(14世紀に建てられたピラミッド型の神殿で、その後16世紀にスペイン人によって破壊された)を見た後、ラテンアメリカタワーの44階にある展望台からシティを360度見渡しました。メキシコシティは東京の約3倍の広さで、東京以上に建物が密集していて車の渋滞もかなりな物です。展望台から見ると何処までも建物が並び、東京で高層ビルの最上階から眺めるのと同じ様な感覚でした。シドニーはそれから比べると箱庭のようなものです。
左からラテンアメリカタワー;タワーの展望台から見たメキシコシティ;劇場になっているベジャス アルテス宮殿;メキシコシティの交通渋滞、この日はデモで特にひどい状態。
メキシコシティの最終日はメキシコが誇る画家、フリーダ・カーロの記念館を訪れました。彼女の住んでいた家が記念館になっていて、彼女の作品だけでなく家に残された殆どの物が展示されてありました。家の外側はブルーで塗られ、レンガ色のトリミングがありました。とても広い家で、庭も大きい邸宅でした。生涯、病と事故の後遺症に悩まされた彼女の作品はとても強烈な印象を与えるものでした。
メキシコシティには5泊でしたがとてもまわり切れるものではありません。東京を5日間で見てまわろうとしているのと同じ事です。メキシコ人は朗らかで良い人達だし、治安も特に悪いと感じませんでした。食べ物はとても美味しいし、あらゆる所にマーケットが有って、露店も沢山出ています。全体的に喧しいのが難点ですが、子供達も私も又訪れたいと思いました。
上段左から焼き肉セット、メキシコの焼肉は薄切り肉;豚の皮で作ったポーククラックリング、チップスのようにかりっとしていておつまみに最適;タコスはほぐした肉だけでなく焼肉も挟みます;鶏肉のシチュウ。下段左からマッシュルームのオムレツ、薄切りのズッキーニが綺麗;タコスの添え物はサボテンのマリネ、とても美味しいです;緑と赤の二種類のソースでグリルした魚;メキシコの代表的なデザートはパブロバとの事、オーストラリアのより甘みが少なく軽い感じ。
メキシコシティ内での移動はウーバー(Uber)と言う車の配車サービスを利用しました。ウーバーはウェブサイトかスマホのアプリを通して車を手配するシステムで、タクシーではありません。自家用車を持ちウーバーに登録している一般の人をこのシステムが見つけて、近くのお客にそのドライバーを割り当てるのです。清算はお客が登録したクレジットカードで済ますので、携帯さえあれば現金が無くてもOKです。ドライバーもお客も利用後にレビューを記入するので、過去のレビューを見てお互いに相手を拒否する事も出来ます。
自家用車なので車の種類もまちまちですが、メキシコで利用した車はどれも新しくて綺麗で快適でした。車を手配して早い時は1分後、遅くても5分で到着しました。メキシコのタクシーは古ぼけていて綺麗ではないのでウーバーを利用したのは正解でした。運賃は需要と供給により上下します。例えばクリスマスや大晦日等はタクシーと比べかなり高額になります。普段の日でしたらほんの少し高いか、時には返って安い事もあるそうです。少し高くても心地良さを考えたらウーバーの方が良いと思いました。日本も含めて世界各地の主要な都市にウーバーはあります。でも日本のタクシーは清潔な車で礼儀正しい運転手さんなのでウーバーはあまり流行らないかもしれませんね。
次回はメキシコ国内においてもかなり特色の強い食文化で知られている都市、オアハカの様子を報告します。
メキシコ旅行中ということで、『メキシコ風焼き トウモロコシ 』のレシピを紹介したいと思います。トウモロコシはやはりメキシコにかないませんが(メキシコのトウモロコシは粒が大きくて白っぽく、兎に角美味しいのです)、メキシコシティの屋台で食べたのと似ています。焼きトウモロコシに付けたマヨネーズとチーズが唐辛子と混じってなんともいえない味です。
- アドボソース漬けチポトレ 1と1/2(チポトレ1+ソース1/2)(注1)
- 全卵マヨネーズ カップ1/3
- サワークリーム カップ1/3
- ライムジュース 大匙1
- オレガノ 小匙1/2
- 塩 小匙1/4
- 黒胡椒
- コーン4-6本
- おろしたパルメザンチーズ カップ2/3(注2)
- アンチョチリパウダー、チポトレパウダー又はスモークパプリカパウダー 小匙1/4
- ライムの櫛型切り(添える物)
- アドボマヨネーズの材料を小さ目のフードプロセッサーにかけて滑らかにする。(注3)
- バーベキューの場合:BBQの鉄板側でなくグリル側を上にして強火にする。トウモロコシを8分程、周りに焦げ目がついて粒に火が通るまで焼く。
- レンジの場合:大きなお鍋にお湯を沸かし、トウモロコシを10分間茹でる。ざるにあけて水分を切り、2-3分放置して水分を蒸発させる。グリルパンに大匙1杯のオリーブオイルを加え強火にかける。トウモロコシをグリルパンに乗せ、回しながら、全体に美味しそうな焦げ目が付くように焼く。
- トウモロコシを少し冷ます。
- パルメザンチーズを浅いお皿に入れる。
- 刷毛でアドボマヨネーズをトウモロコシにたっぷり塗る。
- アドボマヨネーズをぬったトウモロコシをチーズのお皿の中で転がしてチーズをまんべんなく付ける。
- アンチョチリパウダーをふりかけ、櫛形に切ったライムを添える。
このレシピのソースは中位の辛さですが、辛さが心配でしたらチポトレの量を減らして下さい。
2. パルメザンチーズはスーパーで売っている粉末や、すでにおろしてある物ではなく、塊を使用時におろしてください。おろしたてのパルメザンチーズですとトウモロコシにふわりとくっ付くので、適度なチーズの味になります。もし既におろした物や粉末を使うのでしたらトウモロコシをチーズの中で転がさず、チーズを振り掛けるようにすると良いと思います。
3. 小さめのフードプロセッサーが無い場合はレシピの分量を2倍にして作り、普通サイズのフードプロセッサーにかかけるとよいかと思います。或いはチポトレをすり鉢でするか包丁で出来るだけ細かい微塵切りにしてから残りの材料を混ぜて作ることも出来ますが、その場合はチポトレのソースの分量を小匙1杯余分に加えます(すり鉢やまな板にチポトレが残ってしまう為)。
このレシピはNew York Times Cooking の Grilled Corn on the Cob with Chipotle Mayonnaise Recipe を参考にしました。
このレシピの英語版の料理名はGrilled Mexican Corn with Chipotle Adobo Sauceです。RecipeTin Eats (www.recipetineats.com)に載っています。
由美子さん メキシコ旅行の様子、楽しく読ませていただきました。旅に出て、一番の楽しみは、 現地の食べ物ですね。おいしいそうなものばかりです。私も 前回、長女とヨーロッパをりょこうしたときから、 エアービー&ビー使っています。いいですよね。そうなんですね。タクシーのウーバーってオーストラリアだけじゃなくて、 世界中に あるんですね。また 次回の ポスト、楽しみに しています。
志保子さん、有難うございます。私のカメラは安いデジカメで、腕も悪いのであまり良い写真が無くてごめんなさい。
ウーバーはメキシコシティには有りましたがオアハカやプラヤデルカルメンにはありませんでした。