ちょっと前の話ですが、5月18日から24日迄シドニーライターズ フェスティバル(SydneySydney Writers’ Festival) がありました。これは年間行事で毎年テーマに沿って本を選び、をの本の作者を招待して色々な催し場で本に関わる話をしてもらうと言うものです。今年のはテーマは『如何に生きるか』で400人以上の作者が招待されました。
私は金曜日に友達と一緒にサミー シャー(Sami Shah)と言う人の話を聞きに行きました。サミーは3年程前にパキスタンから移住して来たコメディアンで、『I, Migrant』(私、移住者)と言う本を昨年出版しました。パキスタンではコメディーをする傍ら収入を得るためにジャーナリスト/コラムニストとして働いていたとの事です。
行く前にこの本は読んであったのですが、本人から直接でしかもコメディアンだから爆笑する事が何度もあってとても楽しいひと時でした。
本の紹介ではインテリジェントで可笑しくて心を動かされる回顧録とあります。可笑しいのは所々ありますがサミーがジャーナリストだった頃にカラチでの自爆テロに居合わせた話等、実にショッキングな出来事も多く書かれています。べーナズィール ブットーがテロで暗殺された事件を報道しなければならなかったサミーの心境は想像に絶するものがあります。
彼はコメディーを通して政府を批判したりしていて脅迫なども受けていたし、そのようなパキスタンの不安定な状況もあって奥さんと子供を連れてオーストラリアに移住したのです。
私の移住の理由とは全く違うので多分オーストラリアの土を踏んだ時はむしろホッとされたのではないかと思います。私が移住してシドニーに着いたのは晴れで日差しの強い朝でした。機外に出たときに『いよいよ新しい人生が始まる』と心を新たにしたのを覚えています。日本の治安が悪くて脱出したのでは無く、ホッとしたという感覚は全くありませんでした。でもサミーもきっと安堵感と共に私と同じように期待と希望にあふれていたと思います。どの移住者も背景はそれぞれ違っていてもより良い生活環境で暮らしたいと願ってやって来るのだと思います。
私はパキスタンに行った事がありません。パキスタン料理はインドと中近東の影響を受け、スパイスも効いているし本場で食べてみたいと思うのですが現在の治安状態では旅行は無理ですね。幸いシドニーにはあらゆる国のレストランがありますので、私も何回かパキスタン料理を食べました。本場のお料理と比べられなくて残念です。
パキスタン料理は隣接国の影響を受けているのでそれらの国と同じ名前のお料理があるのですが味は少しずつ違うようです。例えばケバブとかコルマカレー、ナーン等。ケバブは他の中近東の国々にもありますしコルマカレー、ナーンはインド料理でも出されます。
ナギのレシピに『ラムコフタのヨーグルト添え』があります。コフタも国ごとに味、形、料理法が違い、パキスタンのコフタもありますがこのレシピはモッロコの味です。前に紹介した紫キャベツ、人参、ミントのサラダを添えるのをお勧めします。
- 羊肉のひき肉 500g
- 玉葱 1個 摩り下ろす
- パン粉 カップ1/3
- ニンニク 2かけ 潰す
- クミンの粉 小匙1
- コリアンダーの粉 小匙1
- パプリカの粉 小匙1
- シナモンのこな小匙1/2
- カイエンペッパー 大匙1
- コリアンダーの葉(新鮮なもの) 大匙2 刻む
- 塩 小匙2
- 挽きたての黒胡椒
- ギリシャヨーグルト カップ1と1/4
- ニンニク 1かけ 潰す
- クミンの粉 小匙1
- レモンの絞り汁 大匙2
- フラットブレッド 4枚(レバニーズブレッド、ピタブレッド等)
- 刻み紫キャベツ、人参、ミントのサラダ(注1)
- ヨーグルトソースの材料を良く混ぜ、風味が増すので冷蔵庫に入れて暫く置く(出来れば一晩)。
- コフタの材料をまぜ、手でよく捏ねる。
- 手をぬらして、肉を8等分し其々細長く形を整えながら串に刺す。竹や木の串を使う場合は使用前に水に暫くつけて置く(そうすると焼いている時にくしが燃えにくい)。コフタを少なくとも30分冷蔵庫に入れて冷やす。
- コフタを熱いBBQ(アウトドア用バーベキューコンロ)で両面を焼き(8-10分位)、火から下ろして2-3分置く。グリルでも焼いてもOK.
- フラットブレッドにサラダとコフタを乗せ、ヨーグルトソースをかけて出す。あるいは、別々のお皿にコフタとサラダを乗せ、ヨーグルトソースを添えて各自で取ってもらうのも楽しいでしょう。

このレシピの英語版の料理名は Lamb Koftas with Yoghurt Dressing です。RecipeTin Eats (www.recipetineats.com)に載っています。
My friends LOVE this lamb! They ask for it all the time!
I be they do. I shall cook this on our new Yakitori Griller!