プラヤ・デル・カルメン(Playa Del Carmen)はユカタン半島の西海岸のカリブ海に面した街です。ユカタン半島のカリブ海側は北端にあるカンクン(Cancun)から始まって南へ海岸沿いに130km程リゾート地が沢山並んでいます。私達の滞在したプラヤ・デル・カルメンはその中でも人気のある場所で、PGAゴルフトーナメントも行われ、テレビにもよく出る所だそうです。
またこの海岸線に沿ってオーストラリアのグレートバリアリーフに次いで世界で2番目に大きい珊瑚礁、メソアメリカバリアリーフが続いているので、波は高くなくてこの辺りはリゾート地として最適です。マヤ族の遺跡もあちこちにあり、まさに観光地として打って付けの所です。
オアハカからプラヤ・デル・カルメンへ移動するのは容易ではありませんでした。車ですと17時間かかりますし、鉄道も無くて飛行機の直行便もありません。やむなくオアハカから飛行機で先ずメキシコシティに戻り、そこから飛行機を乗り継いでカンクンに行き、タクシーに1時間乗ってやっとプラヤ・デル・カルメンに着きました。オアハカから直行便があったら1時間半でカンクンまで行ってしまうのでしょうが、乗り継ぎの時間を入れて6時間半かかりました。
でもエアビーエヌビーで予約したマンションはメキシコシティーのマンションよりずーと広くて、屋上にはプールもありました。洗濯機とドライヤーもあったのでバッチリ洗濯ができると私は感激し、子供達はママに洗濯をしてもらると感激です(宿代は子供が出すのでお礼として洗濯に励みます)。着いたのは夕方で長旅でしたので、荷物を置いて直ぐに水着に着替えてプールでリラックスです。プールにアルコールを持ち込めなかったのが残念でした。
第1日目の朝はゆっくり休んでから早速目を付けていたレストランでブランチです。ここにはかなり美味しいBBQチキンのお店があり、半身のBBQチキンにご飯、紫玉葱の漬物、サルサが付いて5ドルでした。ここではは丸ごとの鶏肉をローストするのではなく、鶏肉を背骨に沿って切り、開いた形で焼きます。スパイスの効いたマリネードをまぶして焼いたチキンは幾つでも食べられそうでした。
左から宿泊したマンションの近所;お店が立ち並ぶ繁華街;昆布が多くて泳ぐのは無理でした;5ドルのBBQチキン
観光業に栄えた街だけに海岸の直ぐ近くはお店が沢山並んでいて、世界的に有名なブランドのお店と小さなメキシコのお土産店が入り混じっています。レストランも色々です。2年前にバリ島のスミニャックに行きましたが、世界的に有名なお店と現地のお店とが入り混じって並んでいる様子はそこの中心街によく似ています。でも道路はスミニャックと違いとても綺麗です。ビーチは昆布が沢山砂浜に打ち上げられていて、海水浴にはベストとは言えませんでしたが、もう少し北に行くと良いとの事でした。
昔は漁師の町だっただけにシーフードも美味しくてお昼はビーチに面したラ・タラヤ(La Tarraya)というシーフードレストランです。プローン(シュリンプ)カクテル、海老のタコス、蟹肉のタコス、イカのフライ等々。砂浜に置かれたテーブルで裸足で砂を感じ海を見ながら美味しいものを食べるのは格別で私はラッキーで幸せ者だと思いました。
左からプローンカクテル;シーフードセビーチェ;プローンタコス;砂浜のレストラン
オーストラリアでプローンカクテルというと海老の剝き身をレタスなどの上に飾り、サウザンドアイランドドレッシングで頂くのですが、メキシコのは違います。メキシコのプローンカクテルは野菜ジュースに、蒸した海老の剝き身、アボカド、胡瓜、紫玉葱、トマト、ハラピーノ、ライムジュースを混ぜたもので海老がジュースに浸っています。アルコールは入っていませんが全てが混ぜ合わさって、メキシコの方が『カクテル』と言う名前に合っているようです。
プラヤ・デル・カルメンから海岸沿いに60km下った所にトゥルム(Tulum)という街があります。ここは有名な俳優や歌手がアメリカなどからホリデーに来る所だそうですが、海岸に沿って沢山の豪華なリゾートホテルが建っていて宿泊者でないと海岸へ行けないのです。一般者のアクセスできる通路もあるのだと思いますが、見つけることが出来なくてガッカリ。何だか排他的な感じを受けました。でもトゥルムの北端には海に面してトゥルム遺跡があるので尋ねてみました。これはマヤ文明末期に栄えた城壁都市の遺跡で沿岸部で最も保存の良いマヤ遺跡です。
メキシコシティにいた時に有名なテオティワカン遺跡を訪れなかったので、チチェン・イッツァ(Chichen Itza)にも行く事にしました。後半の3日間はレンタカーを借りたので2時間かかりましたが気楽なドライブです。と言っても殆ど高速道路で両端はジャングルのように木が生い茂っているだけなのです。チチェン・イッツァはさすがに多くの観光客で賑わっていました。
ここではガイドさんを頼んで一緒に遺跡を回り説明を受けました。ガイドさんはマヤ族の血を受け継いでいる人で、天文観測に優れ、数学を発達させ、高度な建築技術を持ったマヤ文明と民族をとても誇りに思っているようでした。ここには天文台もありました。ウィキペディアによると、マヤ人は太陽暦の1年を365.2420日と計算していたそうです。現代天文学がコンピューターで計算した1年は365.2422ですから大した正確さです。
確かに遺跡に残された建物は色々な所で精密な暦が使われていました。例えばカスティーヨと言うピラミッドがありますが、これはマヤの最高神ククルカン(羽毛のあるヘビの姿の神)を祀ったもので、ピラミッドの位置や傾斜角度が計算されてあります。春分と秋分の日に太陽が沈む時、階段の最下段に彫刻されたククルカンの頭からピラミッドの頂点に向かって波のような模様の影が映し出され、蛇が身をくねらせている姿が見られように出来ているのです。
左からカスティーヨ、春分と秋分に写真のピラミッドの左の辺に蛇の体が映し出されます;ヘビの姿の神ククルカンはあらゆる所に置かれています;天文台;セノーテ
ユカタン半島は石灰岩で出来ていて北部低地にはセノーテと呼ばれる陥没孔(地下に空洞が出来、表面が崩れてできる大きな穴)の泉が沢山あります。セノーテの水はとても澄んでいて、泳いだりスキューバダイビングをする事も出来ます。幾つかのセノーテでスノーケルを借りて泳いで見ました。水底は岩ですがあちこちに洞窟があり、別のセノーテに続いているのもあってスキューバダイビングのグループが懐中電灯を照らしながら洞窟の中に消えていきました。
プラヤ・デル・カルメンでモーターボートを珊瑚礁まで出してもらい、ガイドと一緒にスノーケリングもしました。海でのスノーケリングは30年振りなのでちょっと不安でした。移住して数年後、シドニーのニューポートビーチでスノーケルをしている時に鮫の大群(後で聞いたら怖くない鮫でした)が私の下を横切って以来海で潜るのはピタリと止めたのです。でも鮫はいないとの事でした。息子も鮫には襲われたくないので事前に調べ上げて安心していたそうです。
もう若くないから2箇所を1時間ずつ、2時間も泳ぐ力があるかどうか半信半疑でしたが何とかなりました。でも海からボートによじ登るのは楽ではありません。ボートの横に梯子は付いていましたが筋力は衰えているし体は太めで重いしで、ガイドさんが写真を撮ってくれたけれど私だけ笑っていませんでした。一声かけてくれたら無理に笑ったのにと無念です。もし若かりし頃にした様にスキューバダイビングのボンベを背負っていたら絶対に船に上がれないと思いました。
ここの珊瑚礁はオーストラリアのグレートバリアリーフに次いで2番目ですがグレートバリアリーフの方が色が綺麗で魚もカラフルでした。息子も同感でしたので私の偏見では無いようです。でもウツボがいたり大きな魚がゆっくりと泳いでいたりと楽しい時を過ごしました。子供達と一緒のスノーケリングも最初で最後かも知れないので良い思い出になりました。
プラヤ・デル・カルメンとトゥルムの間にアクマル(Akumal)と言う街があり、そこではウミガメを見ることが出来るとの事なので、早速ガイドを頼んでスノーケルで海に出ました。ガイドさんは最低5匹見られるからと約束しましたが、その通りでした。ウミガメはたまに呼吸をしに海面まで上がって来るので近くで見ることも出来ました。生憎海水はちょっと濁っていて見にくかったのですが、エイも見ましたし、大きな魚も見られて満足でした。
2週間半のメキシコ旅行も終わりです。ナギと私はこのあとロサンゼルスに1週間滞在しましたが、下の2人は仕事があるのでシドニーに戻りました。
メキシコシリーズの最後の投稿という事で又メキシカンのレシピとなりますが、日本は冬に入ったのでスープを選びました。メキシコっぽいスープで『白いチキン エンチラーダ スープ 』です。
- 鶏の胸肉 400g
- 塩 小匙1/4
- 黒胡椒
- オリーブオイル 大匙1
- バター 大匙2
- ニンニク 2かけ 微塵切り
- 玉葱 1個 角切り
- 小麦粉 大匙3
- チキンストック カップ1と1/4
- 牛乳 カップ5(低脂肪を使いました)
- クミンパウダー 小匙1
- コリアンダーパウダー 小匙1
- 缶入りハラペーニョ 大匙2-4 刻んで、又は缶入りグリーンチリ127g
- サワークリーム カップ1/3弱
- トウモロコシ カップ2
- 缶入り白いんげん豆 600g、水気を切る
- 塩 小匙1/2-1
- 黒胡椒
- 鶏に胸肉を水平に切って1cmの厚さにし、塩・胡椒をする。
- 大きめの鍋にオイルを加え、強火にかける。鶏肉を加えて(必要であれば2回に分けて)両面を2分間ずつきつね色の焦げ目が付くまで焼く。
- お皿に移して冷ます。適度に冷めたらフォークか手で肉を裂くか包丁で切る(スープを煮ている時にすると良い)。
- 鶏肉を焼いたお鍋の火を中火に下げ、バターを加える。バターが溶けたら玉葱とニンニクを加え、玉葱が透き通って柔らかくなるまで3分間程炒める。
- 小麦粉を加えて2分炒める。チキンストックを加え、お鍋の底に付いたこげを擦り取りながら煮る。
- 牛乳、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、ハラペーニョを加える。火を強めの中火にし、時々かき混ぜながらスープに少しとろみが出るまで煮る ‐ 5分間位。
- サワークリームを泡立て器を使って良く混ざるようにお鍋に加える。その後トウモロコシ、白いんげん豆、鶏肉を加えて具にしっかり熱が通るまで1分間程煮る。
- 塩と胡椒で味を整える。
- 好みでトッピング(注1)を散らして熱いうちに食卓へ。
栄養成分表は4人で分けた場合の1人分で、トッピングは入っていません。カロリーを減らしたければ豆の代わりに野菜を使用することをお勧めします。ここでのいんげん豆は150カロリーです。
このレシピの英語版の料理名はWhite Chicken (or Turkey) Enchilada Soupです。RecipeTin Eats (www.recipetineats.com)に載っています。
コメントを残す